薄毛を目立たなくする髪型にカットしても、日々のスタイリングをおろそかにしては、その効果も半減してしまいます。逆に言えば、毎朝のほんの数分の工夫で、見た目の印象は劇的に変わるのです。ここでは、薄毛を効果的にカバーし、一日中自信を持って過ごすための、具体的なスタイリングテクニックをご紹介します。その成否を分ける最大のポイントは、「ドライヤーの使い方」にあります。髪は、乾く瞬間に形が決まります。まず、タオルドライで髪の水分をしっかりと取った後、薄毛が気になる部分、特にトップの根元に、下から温風を当てるようにして乾かしていきます。指で根元をこするように、あるいは少し持ち上げるようにしながら乾かすことで、髪が根元からふんわりと立ち上がり、自然なボリュームが生まれます。この「根元を立ち上げる」という意識が、ぺたんこ髪を防ぐための鉄則です。全体が乾いたら、最後に冷風を当ててスタイルを固定しましょう。キューティクルが引き締まり、ツヤも出ます。次に重要なのが、「スタイリング剤の選び方と付け方」です。薄毛の方が避けるべきは、重さのあるジェルやグリース、ツヤが出すぎるワックスです。これらは、髪の重みでせっかく立ち上げた根元を潰してしまったり、髪が束になって地肌が透けて見えたりする原因になります。選ぶべきは、軽くてセット力のある「マット系(ツヤなし)のハードワックス」や、全体をふんわりとキープしてくれる「ヘアスプレー」です。スタイリング剤を付ける際のコツは、「少量ずつ、根本を避けて」です。まず、ワックスを小豆一粒分ほど指先に取り、手のひら全体に透明になるまでよく伸ばします。そして、髪の内側から、空気を送り込むようにクシャっと揉み込みながら、毛先中心になじませていきます。根元にベッタリつけると、重さでボリュームダウンしてしまうので注意してください。最後に、全体のシルエットを整え、キープ力の高いハードスプレーを、髪から20cmほど離して、全体に軽く吹きかければ完成です。この一連のプロセスをマスターすれば、あなたのスタイリング技術は格段に向上し、毎日の「はげ隠し」が、自分を演出する楽しい時間へと変わるはずです。
テクニックで差がつく!毎日の薄毛カバースタイリング術