住宅の基礎工事において、耳にする「捨てコン」。これは、建物の強度を直接支えるものではありませんが、基礎工事をスムーズに進めるために重要な役割を担っています。この記事では、捨てコンとは何か、その役割、種類、費用、そして施工時の注意点について徹底的に解説します。まず、捨てコンとは何かを理解しましょう。捨てコンとは、「捨てコンクリート」の略称で、基礎工事の際に、基礎の下に敷かれる薄いコンクリートのことです。捨てコンは、建物の荷重を支えるためのものではなく、あくまで基礎工事の作業性を向上させるためのものです。捨てコンは、基礎工事の際に、地盤面を平らにならし、墨出し(基礎の位置を示す作業)をするための基準面として使用されます。また、作業員の足場を確保したり、雨水が地面に浸透するのを防いだりする役割も担っています。次に、捨てコンの種類について解説します。捨てコンには、主に「鉄筋入り捨てコン」と「鉄筋なし捨てコン」の2種類があります。鉄筋入り捨てコンは、鉄筋を配置した捨てコンで、より強度が必要な場合に採用されます。鉄筋なし捨てコンは、鉄筋を配置しない捨てコンで、一般的な住宅の基礎工事で使用されることが多いです。では、捨てコンの費用はどのくらいかかるのでしょうか?捨てコンの費用は、捨てコンの厚さや、面積、使用するコンクリートの量によって異なりますが、一般的に、1平方メートルあたり3千円から5千円程度が相場とされています。捨てコンの費用は、基礎工事費に含まれていることが多いため、見積もりを確認する際には、捨てコンの費用が明記されているか確認しましょう。さらに、捨てコンを施工する際の注意点についてです。一つ目の注意点は、「地盤の状態を確認する」ことです。地盤が軟弱な場合は、捨てコンを施工する前に、地盤改良工事が必要となる場合があります。二つ目の注意点は、「適切な厚さで施工する」ことです。捨てコンの厚さが薄すぎると、作業面の安定性が損なわれたり、墨出しの精度が低下したりする可能性があります。三つ目の注意点は、「養生期間を確保する」ことです。捨てコンを打設した後、十分に養生期間を確保することで、捨てコンの強度を高めることができます。この記事を参考に、捨てコンの役割や、注意点を理解し、基礎工事をスムーズに進めていきましょう。