捨てコンは、建物の強度を直接支えるものではありませんが、基礎工事の様々な工程において、重要な役割を担っています。この記事では、捨てコンの役割について、墨出し、作業足場、地盤保護、雨水対策の4つの観点から詳しく解説します。まず、一つ目の役割は、「墨出しの基準面」としての役割です。墨出しとは、基礎の位置や、建物の配置を、地面に正確に記す作業のことです。墨出しを行う際には、水平で、平らな面が必要となります。捨てコンは、地盤面を平らにならすことで、墨出し作業を正確に行うための基準面としての役割を果たします。捨てコンがないと、地面が凸凹しているため、墨出し作業が難しくなり、建物の位置や、基礎の形状が正確に決まらなくなる可能性があります。次に、二つ目の役割は、「作業足場の確保」としての役割です。基礎工事の現場では、多くの作業員が、作業を行います。捨てコンは、地面を平らにすることで、作業員の足場を確保し、安全に作業を進めるための役割を果たします。また、捨てコンは、作業員が、道具や資材を置く場所としても活用されるため、現場の作業効率を高める効果があります。さらに、三つ目の役割は、「地盤保護」としての役割です。捨てコンは、地盤面に直接コンクリートを打設することで、地盤を保護し、地盤が崩れるのを防ぎます。また、雨水が地面に浸透するのを防ぎ、地盤が軟弱になるのを防ぐ効果も期待できます。特に、雨が多い地域や、地盤が軟弱な地域では、捨てコンの地盤保護効果は非常に重要です。最後に、四つ目の役割は、「雨水対策」としての役割です。捨てコンは、雨水が地盤に浸透するのを防ぎ、基礎工事中に、雨水が流れ込まないようにする役割があります。捨てコンがないと、雨水が地盤に浸透し、基礎工事に悪影響を及ぼす可能性があります。これらの4つの役割を踏まえ、捨てコンは、建物の強度を直接支えるものではありませんが、基礎工事をスムーズに進めるために、非常に重要な役割を果たしていると言えるでしょう。